2021年9月4日号
<<練 習 は 裏 切 ら な い!>>シリーズ(ゴル仙の教え)
堀 琴音 復 活 も の が た り 〜選手生命変えた、あるコーチとの出会い!〜
【2021】ニッポンハムレディスクラシック
🔶 2021年7月8日(木)~7月11日(日)🔶 優勝賞金:1,800万円
◎新旧入り乱れ熱戦は佳境に!決勝プレーオフ ~堀琴音バーディー
女神に導かれフェードで勝ち取った復活8年目の初優勝!
🎵7年間くじけずにおめでとう🎵
そして、この原動力をプレゼントして
くれた若林ママ選手ありがとう🎵
感動を胸にゴルフ最高! byゴル吉
〜8年目の復活!初優勝♫〜
7月の「ニッポンハム レディスクラシック」の最終日はベテラン若林舞衣子と若手堀琴音との壮絶な
プレーオフへと突き進んだ!
プレーオフを制し勝利の女神が微笑んだのは堀 琴音!
気が付けば、弾けるようなデビュー戦から8年の月日が経ての初優勝だった。

(思わず感情が湧き出てしまった琴音)
〜逃げなかった琴音〜
勝利のパットが決まった瞬間、頭が真っ白になりかけた琴音は思わずキャディーと万歳してしまった。
しかし、その直後に一気に瞼に浮かんだのはどん底まで落ち這い上がった「悩み抜き苦しかった空白の三年間」
であった。
(琴音)「悪くなってからの三年間がブアーと押し寄せて来たんです。。。」
「。。。三年間の苦しかったことが一つずつ浮かんできました!」
「頑張ってよかった」と涙が止まらんくなっていた。
(琴音) 表彰式のとき、ゴルフを続けてこれて「初めて自分を褒めてました」
「今日はそうしてもいいかと思えたんです」。
〜心と体に違和感、イップス?〜
華々しいジュニア時代からプロにデビューした琴音は早くもステップツアーで優勝するなど、周囲からの期待は
大きくなり、「華の14年プロテスト合格組としていつレギュラー優勝してもおかしくない選手」と、評される
ようになっていた。
心と体に違和感を感じ始めたのはその頃だった。
(琴音)「少しずつ調子が変だな、球が捕まらないなと。。。」
「2017年終盤は予選落ちが続いて。。。」
そのオフは違和感を取り除きたく猛練習に打ち込めば打ち込むほど違和感は広がっていく。
(琴音)「真っ直ぐ飛ぶ感じがしなくなり、パッティングまで分からなくなって来たんです。。。」
予選落ちを繰り返す中、ひっかけOBで大きく崩した躓きを機にパターまで分からなくなりクラブが触れなくなった。
周りからは不調を「そりゃ、イップスだね」と簡単に片付けられ続けた。
「そうじゃない!」と云う気持ちがやがて他人の言葉も聞けなくなって来た。
予選落ちすればする程空いてくる。空き時間が増える程に、自分の情けなさと違和感を打ち消すかのように
ますます猛練習に没頭する日々。
しかし、身体と心の結果はますます負のスパイラルに落ちていく。
〜新コーチとの出会い〜
2018年、やがて転機がやってきた。
森 守洋コーチとの出会いであった。同じような悩みを持った先輩プロ原江里菜の紹介だった。
森コーチは琴音のことを否定することなく琴音の本音に同調してくれた。
自身の同様な経験に重ねながら基本に立ち返り一つずつ積み上げるように指導してくれた。
先輩プロ原江里菜も立ち直らせた実績の持ち主であるが故に信頼関係も厚くなっていった。
(琴音)「今やめたら逃げたと言われてしまう。『皆んなにそう思われるのは嫌だ。世間に忘れられたくない!』
と、思いました。」
〜突然の不振〜
2015年から3年連続でシードを維持。、10代でのシード権獲得は史上6人目だった。
2016年の「日本女子オープン」では当時アマチュアの畑岡奈沙に敗れたが、堂々の“プロ1位”。
賞金ランキングも11位(約7052万円)となり、いつ優勝してもおかしくない資質ながら、18年に突然の不振に。
34試合で29試合の予選落ちし、シードも失ってしまった琴音。
(琴音)「体を大きくしようと筋肉トレーニングした結果、スイング・バランスが悪くなってしまって…」
もがき苦しむ日々…。
(琴音)「ゴルフ人生が終わった気がする」と沈んでいた。
今年の開幕前、プライベートで不動裕理プロとラウンド。
(不動)「ゆっくり振ればいい」の金言がヒントになった。
琴音のドライバーの持ち球はドローボール。
飛距離重視で力みが出る。そこで不動流の“ゆっくりスイング”導入してみた琴音。
(琴音)「ドローからフェードに変えたら、球筋が安定し、アイアンもよくなったんです」。
2019年は予選会を失敗して164位。推薦でしか試合出場できない苦しい環境だったが、
今年は開幕からわずか4試合で「トップ10入り」二度、などで賞金を加算。
5月上旬のリランキングで37位に躍進し、その後の出場権を確保。
目下37位を維持、後半戦の出場も問題ない。
(琴音)「調子は上向いていると思います。まずは初優勝を目指しながら、シード復活も…。頑張ります」(笑)
5アンダー2位で好発進を切った。
(琴音)「ショットも、パッティングも良かった。かみ合った一日です」。
と爽やかな笑顔で振り返り、
(琴音)「コースで打ち急がずに、ゆっくり打つことだけを考えられるようになった」
と明かした。
今年(2021年)3月には3年半ぶりに8位でトップ10入りした「明治安田生命レディス ヨコハマタイヤ」を終え、
4月初旬にパナソニックレディース会場・浜野GCで不動裕理とプライベートでラウンドする機会があったという。
(琴音)「プライベートで回るのは初めてで…普段試合で聞けないことを聞きたい」
と試合中に意識していることを聞いてみたら、ツアー通算50勝を誇る大先輩から返ってきた言葉は
(不動)「ゆっくり打つことしか考えてない」だった。
(琴音)「それをずっと意識していたらリズムも良くなって、ショットもよくなりました」
予選落ちが続く中、4月の「KKT杯バンテリンレディス」を6位で終え、前週の下部ツアーも3日間戦い切っての
今大会。
2021年初戦からドライバーの球筋を「無理して打っていた」というドローからフェードへとかえたことも
結果につながっており、「本当に良かったです」と明るい顔を見せた。
6月のアース・モンダミンカップでは重圧に打ち勝ち、今季自身最高の4位タイでフィニッシュ。
(琴音)「最後は正直自信がなくて、(キャディを務めていた)森コーチに、
『どういう気持ちで打てばいいですか』って聞きました」。
(琴音) 「すると返ってきた答えは、『そこに出すだけのイメージでいくしかないよ!』 それだけ」。
「その通り打ったら入った!」
「そこから戦う心の余裕が出てきたんです。」
強い気持ち=覚悟を決めることで己に打ち勝つバーディが奪えた瞬間だ。(ゴル仙の声)
(琴音)「これまでショットがすごく曲がっていて、特にドライバーは、林に入ったり、
隣のホールまで行ってしまったり、どこに飛ぶのかわからない状態でした。
それが今年、そうした状態が次第になくなって、飛距離も出るようになって
からは、ゴルフがすごく楽しくなりました。」
(琴音)「もともとアプローチがあまり得意ではなかったのですが、ショートゲームの
練習をこなして、"怪我の功名"というべきなのか、アプローチにも自信が持てる
ようになりました。
今はグリーンを外しても、そんなに不安はありません。
本当に今が一番楽しいかもしれないです」(笑)
やがて、森コーチや森コーチの紹介の橋本真和パッティングコーチ、それに19年から付いた中島裕トレーナーや栄養士の
指導が実り8年目のレギュラー初優勝へと導かれる堀琴音が誕生した。
* 次回は攻め玉をフェードに変えさせた森コーチの秘策のベールと
ザ・フェードの女王有村智恵プロ、ルーキーキャンプでの岡本綾子プロとの出会い&金言秘話を取材します!
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プロデューサー byゴル吉クロ
(出典:Weekly Golf Daigest 9/14 MinoriFukushima)
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